国土交通省2019年度i-Construction大賞優秀賞受賞
MMSやUAV等の様々な機器より取得した点群データを取り込み、実務の効率化に寄与できる機能を備えた点群ブラウザソフトウェアを開発しました。オンライン版(Webシステム)とオフライン版(アプリケーション)で構成され、一部機能は無償でご利用いただけます。お問い合わせはこちら(3D Point Studio®特設サイト)。
オンライン版(Web システム)
地理院地図上に表示した国土基本図の図郭から、調査対象エリアを選択。その点群データをWeb上で閲覧できます。
● EdgeやChromeなどのインターネットブラウザで閲覧できます。
● 手元のパソコンに点群データがなくてもインターネットに接続ができれば閲覧できます。
● 表示中エリアが地図と連動して確認できます。
● 点群データ全体を閲覧し、任意区間を指定して編集が可能です。
オフライン版(アプリケーション)
標識柱や照明柱のみを高速に検索でき、法面等の点検箇所を即座に確認できます。
● 手元のパソコンで点群データを扱えます。
● 点群データを詳細に確認できます。
● プラグイン機能を拡張すれば、高度な編集や解析もできます。
● 編集した点群データをビューモードに反映できます。
本製品の特長
本製品は、点群データの属性管理仕様【道路編】(案)に準拠したSemantic Point Cloud Dataを基礎データとすることで、点群データを「マシンリーダブルなデータ」と関連付けて効率的に活用することを実現しました。
具体的には、点群データに対して道路地物の位置や領域を示す属性を“領域データ”として付与し、道路地物単位の点群データを自動抽出する技術を開発しました。当該技術は下図に示します。仕様に準じて実装しているため、何方にも道路地物単位で扱える点群データに編集が可能です。道路空間の点群データを道路地物単位で検索や解析ができると、作業効率の向上に加えてプログラム処理による自動化など多用途への展開にも繋がります。
点群データのRGB表示、任意数値のグレースケールまたはカラースケール表示、点選択、二点間の距離計測、横断図表示等の標準的な機能はオンライン版とオフライン版の双方に備わっています。
オンライン版の特長は、システム上にて点群データの可視化結果等を他ユーザと共有できる点で、そのため同一社内の異なる部署(計画課、調査課、工務課、管理課等)間や、発注者と受注者間での円滑なコミュニケーション・コラボレーションを促進できます。
オフライン版の特長は、既存資料および機械学習を用いた地物抽出機能、二時期の差分抽出機能(右図)、属性管理仕様に準拠した地物単位の点群データ管理機能を備えている点です。
オフライン版では、点群データの解析結果をオンライン版にアップロードする機能を備えており、オンライン版では点群データの属性管理仕様【道路編】(案)に準拠した領域データをインデックスとして地物の空間検索が可能となります。
また、システムの起動から数分以内で目的地物へのダイレクトアクセスが可能となります。さらに、必要なエリアを選択して点群データをダウンロードする機能を備えており、複数時期や計測機器の異なる同一地点の点群データを容易にダウンロードすることが可能となるためオフライン版にて点群と設計データの差分検出、二時期の点群データの差分検出等の機能の利活用が可能です。
3D Point Studio®活用実績
●公共構造物デジタルツイン
3D Point Studio®を用いて地物単位で、公共構造物デジタルツインを構築し、静岡県の土木事務所での導入試験を行いました。
●3D Forest Manager Powered by 3D Point Studio®
森林内を計測した点群データから樹木を抽出して、 樹木ごとのプロパティを自動で解析できるソフトウェアを開発しました。立木位置を可視化しながら樹林内を臨場感のある視点で閲覧も可能です。
本製品は建設ライフサイクル全般において利活用可能であり、特に、維持管理フェーズにおいては、平常時・災害時を含めた準リアルタイムな情報共有に寄与できると考えられます。今後は、これら各フェーズに特化した技術を開発することで、3D Point Studio®を用いた公共構造物デジタルツインを高度化することを目指します。